研究大会成果報告

第11回

投稿日時: 2020/08/12 Site Master
日本防衛学会 平成24年度(秋季)研究大会の報告
 


 日本防衛学会 平成24年度(秋季)研究大会は、防衛大学校の協力を得て、11月22日(木)、23日(金・祝)の両日にわたり、社会科学館大教場及び人文科学館111番教室において開催されました。(参加者数は延べ250名)

 開会の冒頭、五百旗頭真会長の音頭により、11月5日に逝去されました名誉会員猪木正道博士(第3代防衛大学校長)に哀悼の黙祷を捧げ、研究大会に入りました。
 


五百旗頭真会長開会挨拶


 第一日目は、〈講和独立60周年記念シンポジウム〉「世界のリーダーシップ交代と新たな戦略環境を考える:アジア太平洋の安全保障構図」と〈特別企画〉「東ティモールPKO10周年」という二つの記念セッションが実施されました。

 最初の記念シンポジウムでは、久保文明東大教授並びに宮本雄二元駐中国中大使が、それぞれ米国オバマ政権と中国・習近平政権の対外政策について基調講演を行い、引き続くパネルディスカッションでは、山口昇防大教授の司会進行で、田中均元外務審議官、下斗米伸夫法政大教授、小此木政夫九大特任教授がアジア太平洋地域の戦略環境や新たな安全保障の課題について基調講演者も加わりそれぞれ専門的観点から熱心な討論が交わされました。


講和独立記念シンポジウム


 次の特別企画では、北原巌男前駐東ティモール大使と田邉揮司良第3代派遣隊長の基調報告を中心に、その成果と課題について討議がなされました。
 


特別企画


 第二日目は、部会1「自由論題」として7人の会員による南西諸島防衛強化の課題や韓国軍、アルカイダ系組織の最新情報などのテーマで発表が行われました。


部会1


 部会2「防衛科学技術の現状と課題」では、伊東寛元陸自システム防護隊初代隊長による「サイバー技術は戦争をどう変えるか」と田中秀麿防衛大学校准教授による「ネットワークセキュリティ対策技術の現状と課題」の報告がされました。


部会2


 長島昭久防衛副大臣による特別講演は、民主党政権下での日米同盟を振り返り、「ガイドライン」(日米防衛協力のための指針)見直しのポイント、特に有事と平時の間の“フェーズ・ゼロ”における日米協力の在り方について言及されました。


特別講演(長島昭久防衛副大臣)


 部会3「日米の海洋安全保障政策」では、秋山昌廣海洋政策研究財団特別顧問と香田洋二元自衛艦隊司令官による基調報告の後、用田和仁、尾上定正両氏が討論者に加わり、中国の海洋戦略と我が国の対応策について白熱した討議がなされました。


部会3

 最後に、國分良成防衛大学校長による開催校挨拶があり、二日間にわたって行われた秋季研究大会の幕が閉じられました。